2018年8・19俳句記念日ご応募俳句一覧掲載

2018年度8・19俳句記念日大会俳句応募終了!

今年は春からなんでも早回りでとうとう酷暑がやって参りました。
そんな厳しい猛暑の最中の7月31日に俳句記念日2018年度の俳句応募締切となりました。
あまりの天候不順でもあり厳しい夏が予想されるためあまり目標を高くせずに5回目なので500句集めることを目標に致しました。
予想どうりの物凄い夏が来てしまい目標まで集まるのかとても不安でしたが、なんと、600句を越えるご応募があり大変喜んで折ります。
ご応募下さいました皆様、またご支援くださいました方々に心から感謝致します。
8月19日の俳句記念日まで各賞の審査結果を楽しみにお待ちください!

【応募俳句631句】

2018年度目標500句を突破

8月19日結果発表をお楽しみに!!!

皆様俳句記念日イベント「8・19俳句記念日大会&デザートパーティー」へお越し下さい。
各賞の発表と乃木會館のプチフールが楽しい交流の場を作ってお待ちしております。
★8・19俳句記念日大会&デザートパーティーはこちら
http://bit.ly/2H0TH9X

2018年俳句記念日大会の俳句を応募します。
前回は和文化祭りとのコラボ企画でイベントを開催致しました。
2018年度は、どんな趣向で開催することになるか楽しみですね。
まずは、記念日には俳句を詠んでご応募下さい。
年間通して募集しております。

皆様からの俳句のご応募お待ちしておりま~す。
https://www.facebook.com/events/1819972371646517/

2018年度の応募がすでに始まっております。
あなたも楽しい記念日や今の時代を伐るような鋭い句など、思いのままに詠んだ句をどしどしご応募下さい!

2018年度8・19俳句記念日応募俳句一覧~~

1ところてんにがてだけれど食べたいな

2歩くたびしぼうがへるがはらもへる

3ねむたいなねむるときけん雪山だ

4スマホ見る大事なものを見失う

5親孝行とトイレはしたい時にはないものだ

6フライドポテト時間がたったらただの棒

7冬渚遠く近くに人ひとり

8冷たしや出始めの水朝シャワー

9かまくらで冬銀河下夢語る

10食ひきれぬ餅を食ひ切れ年の市

11シャッターを押す手凍える冬銀河
12離れても地球はひとつ冬銀河
13冬銀河不寝番の目は冴へり
14小さき足跡に柊の花散る
15クリスマス柊の葉のリース編む
16砂丘を埋めるがごとく冬銀河
17柊のようにチクチク母小言
18嗚呼ビバノン冬至湯浸かり鳴く娘
19タロジロの遠吠えの先冬銀河
20葬列の思いそれぞれ冬の星
21柊の花こぼれて白く香り
22玄関に柊の花幸を呼ぶ
23カーテンにたっぷり夜長託しけり
24入浴に花柊の香り挿す
25古本を読書の秋と買っては売る
26頑張れよ駅まで送る寒稽古
27泣き止まぬ我が子背追って冬銀河
28春高前夜頬刺すような冬銀河
29新聞追い来て冬の宵を越す
30かじかむ手合わせて拝む冬銀河
31厨ひとりため息ひとつ晦日蕎麦
32宝くじ当選夢み冬銀河
33日の照らす産屋の前に柊咲く
34独り身に籠れるイヴの抱き枕
35元旦夢あと一歩なら叶うらし
36臨む荒星ヤケ喰いしても逃げても
37凍月や一と日の空を張り尽きる
38黒蝶の死地となりけり仙人掌
39初鶏へ馬は嘶き返しけり
40桜蘂散る満願の札所かな
41富有柿の出荷そろそろおらが町
4225日ポインセチアは大セール
43傘さして行列の先おでんかな
44大掃除たまに手を止め日向ぼっこ
45カレンダーどれがいいかな年の暮
46我が褒美年に一度の河豚と酒
47正月の顔して来たり孫五人
48初富士へ逆立ちする子支へる子
49遠富士の嶺の白さよ大旦
50初芝居袖に出を待つ仁左衛門
51初電話取れば娘の彼氏かな
52正月や赤子泣きたる過疎の村
53正月や年に一度の鎮守様
54初日の出真白き畑や赤々と
55琴線の波打ち光る春の海
56新調の枕みつちり三が日
57初詣で笹を燻らす御神楽や
58初雀行き愛(は)し帰りかまびすし
59平成も終はりが近し初薬師
60再生の悲願散り交ふ春の濤
61東風の捲く付箋だらけの芸術論
62学食の野菜タンメン春の色
63菜種梅雨乱歩の作に手の伸びる

64眠れども眠りの底へ菜種梅雨

65種袋さらさら鳴らし子ら走る

66引越しの荷物急かして菜種梅雨

67菜種梅雨クローゼットで迷う朝

68歩幅すこし東風に吹かれて直しけり

69強東風に鵞(がちょう)の声の荒(すさ)びけり

70琴の音の匂うようなり菜種梅雨

71強東風が雲塊残し静寂(しじま)かな

72土筆摘む爪まっ黒に母と孫

73線香の煙消されて菜種梅雨

74夕東風や魂ままに湯浴みする

75朝東風の別れの紙テープ断つ

76けふまた母と二人をり菜種梅雨

77東風に乗り届く小荷物祖母の味噌

78暮れかけて子らの呼び合い東風に乗る

79カピバラの毛並散らせる東風

80菜種梅雨ひとり明滅するBYE

81栄転に海髪をつまに妻と酌む

82菜種梅雨のせいにして家事放棄

83金盞花息切れしそうな浜の風

84夜を往くトラックの先初茜

85天神の山へ逃げよと豆を撒き

86深酒やカーテン越しに初茜

87盆栽に朔日草の小宇宙

88幸はひの色惜しみなく福寿草

89抱きたる三方重し副の豆

90初茜二礼二拍手一礼す

91春遠し野鳥の灯台アンコ見ゆ

92つくばねの嶺より生るる初茜

93福寿草追いかけ追いかけここはどこ?

94POPにも福福しさよ福寿草

95福寿草なんと芽出度きなまへかな

96警蹕(けいひつ)の声聞こえたり初茜

97名残り雪今更何を繰り返す

99両親の長寿を願い福寿草

100拝む手に希望を照らす初茜

101爪を切る夕べの迫る春はじめ

102三方抱き四方に撒きし節分祭

103めがねして光まばゆし福寿草

104大いなる志へと踏み出す大旦

105初場所や粋すじ座る砂かぶり

106大見得の海老蔵にわく初芝居

107小上がりに梅一枝のさりげなく

108おでかけの心弾むや春コート

109辛夷咲き故郷恋ふる千昌夫

110くつろぎの女三人さくら餅

111遠足の列にふさがれ通り道

112万緑にいだかれおはす皇居かな

113海の日の海よりとどく海の幸

114落成のプールに子らの歓喜かな

115夏休兄弟喧嘩両成敗

116その中に音閉じ込めて滝凍つる

117夜の更けて虫の集会始まれり

118恙なく来て古稀なりや十月尽

119こわもても相好くずす七五三

120伸びをして猫も出かける小春かな

121くるくると水面に踊る落葉かな

122閑職の窓辺に落葉しぐれかな

123白菜の高値に妻の嘆きかな

124オムレツのふわつと焼けり寒卵

125寒鰤の競りつぎつぎと朝ぼらけ

126どことなく妻機嫌よしボーナス日

127ここだけの話と夜咄盛り上がり
128花種を蒔き外つ国に赴任せり

129樹木医のポンと打ちたる老桜

130囀や四国巡りのひとり旅

131駅前のコンビニで涼む夏の午後

132夏の味そっと溶け込む並木道

133花束と土産を持って帰ります

134夢いっぱい宿題いっぱい暇いっぱい

135久々の半袖シャツに手を通す

136宿題の紙束飛ばす扇風機

137逃げ出した私を照らす天の川
138帽子脱ぎ一片散らす花疲れ

139赤や黄の帆の滑り行く薄暑かな

140風車風通し良き角の店
141来し方を妻とふりむく昭和の日
142父母も祖父母もゐたり昭和の日

143たばこ屋に看板娘昭和の日
144図書館に暇をつぶせる生身魂

145図書館の席をあまねき受験生

146今日明日は畳を友に花疲れ

147インスタのいいね見届け花疲れ

148風車の祈り託すや地蔵尊

149ブランコや街を踏み切り空へ跳ぶ

150春ショール笑む口元を隠しつつ

151青い目の覗く交番花の下

152交番を出でて日傘を差しにけり

153フェリーよりゆつくり降りる黒日傘

154日傘より影の跳び出す帽子かな

155春の陽を乗せて路線バスが来る

156夕涼みバラに魅かれて黒揚羽

157懐かしい顔が揃ってバラ香る

158さわやかな風バラの香りと黒揚羽

159薔薇香る癒しのサロンライフビジュー

160時を超え対馬藩跡ひとつばたご

161たかんなやあちこち立ちて真竹なる

162遥かまで異国の見えるじゃがらんだ

163たんぽぽの絮どこまでも吹かれ行く

164一雨の力となり手若葉萌ゆ

165買えること忘れて遊ぶ日永かな

166若さとはバラの香りと笑い声

167エイサーの声がふくらむ映画街

168イギリスの地ビール飲むやパブの昼

169異国見え展望台のなんじゃもんじゃ

170石屋根の対馬だけ見る初夏の旅

171薔薇園の皇后の名あり明鏡かな

172断捨離と呟きながら頃も更衣

173名水に新茶もろとも頑張れる

174遠来の客のもてなし新茶汲む

175孫になら騙されてやる四月馬鹿

176山一つなんじゃもんじゃに白く染め

177青梅の葉隠の闇二つ三つ

178石屋根の対馬のみ見る初夏の旅

179自生地のひとつばたごの白い路

180下駄ならし石段上の薄暑かな

181断捨離とつぶやきつつも更衣

182束の間の甘き香りやパイナップル

183貧しくも楽しき夕餉麦の飯

184衣替新しき風通り抜け

185尼蛙じっと見つめて侍りおり

186目の前を3段跳びの雨かえる

187ないしょ話を聞いているよな雨カエル

188いつみても光ってをりし雨蛙

189枝に葉に保護色活かし雨がへる

190雨蛙鳴くまい明日はゴルフゆえ

191黒南風の立ちて烏の騒ぎける

192雲現れて黒南風わたる鳰の湖

193黒南風に高き波立つ浜辺かな

194飛んでいけ ロシアへ向けて ギンヤンマ

195お茶菓子の切込み深し濃あじさい

196あじさいの何色なるか決まる日よ

197夢にまで浸入したる梅雨の入り

198戸締まりをしあぐねている梅雨夕焼

199梅雨寒やハートを描くバスの窓

200蜘蛛の糸 雨を捉えて 輝けり

201梅雨晴れ間ここに緋めだか藻花かな
202不揃ひも美味てふ枇杷を貰ひけり
203{九国博}睡蓮モネ画人集まり
204梅ちぎり何に加工か思案中
205まほろばの道ふみしめる夏薊
206土塊も夕に青田となりにけり
207梅雨の夜月命日の仏の灯
208道ふさぐほどの山桃こぼれをり
209平成の終わりとなるや夏落葉
210黒南風に天井の龍睨みけり
211高きよりここに居るよと雨蛙
212手も服も染めゆすらうめ食むる子ら
213ハンケチのなまえひらがな色焦する
214まいまいと雨の輪が淋しさ誘ふ
215黒南風に秀でたる眉そよぐ夕
216黒南風や歯医者の予約忘れたい
217沖見やる若き水夫(かこ)を打つ黒南風
218黒南風ですぐに錆びたる三輪車
219原宿や店の軒㟨(のきば)に雨蛙
220黒南風や水疱瘡に藥塗る
221黒南風の忍び入る築五十年
222雨蛙葉にしがみつく腕っぷし
223黒南風や真暗な部屋で影になる
224雨蛙信号無視のど根性
225一人っ子の留守居の友や雨蛙
226雨上がりひょこひょこ飛ぶは雨蛙
227黒南風や柏手二つ金毘羅宮
228黒南風やウオーキングデットが家にいる
229野良猫の驚き斯くや雨蛙
230ずんずんと迫る黒南風ホラーかな
231伏す犬の鼻過る雨蛙
232レインボー眺め寝そべり雨蛙
233黒南風に袖ふくらまし帰路急ぐ
234お見舞へ庭の紫陽花手折る母

235重陽を 重ねてすでに 八十路過ぐ

236紅をさす 老女華やか 手毬ばな

237応援歌 北の国へと 八咫烏(ヤタガラス)

238八咫烏 北の国から 吉報を

239夕飯にすいかかぶりつくつわりの日

240インバウンド浴衣だけでスター気分

241浴衣美人銀座の街に涼をよぶ

242浴衣着て素足もいいね夕涼み

243思い出す種を飛ばした西瓜の日

244冷やし西瓜ひたいの汗も心地良い

245華やいでおさななじみと着る浴衣

246打ち上がる切った西瓜と似た花火

247縁側で種とばしした遠い日よ

248夕暮れにすいかの赤が映える浴衣の君

249えりあしの白さ際立つ浴衣美人

250青空に届けてみようスイカ種

251真夏日に学ぶ浴衣がうるわしい

252縁側で皆でワイワイすいか食べ

253熱中症西瓜食べて温度下げ

254暑い夏浴衣姿が涼さそう

255匂いたつ後姿の浴衣かな

256あそんだら早く食べたいスイカ割り

257花火より浴衣の色が美しい

258浴衣着てスイカを食べてお肌ツルツル

259西伊豆の夜咲く花火浴衣着て

260つぎつぎとたね飛ばした先に蟬しぐれ

261夏休みあっという間に食べるスイカ

262浴衣用事実家に取り感じる糊付け愛

263上品に決めた浴衣が西瓜負け

264浴衣着てほおずき市にまぎれこむ

265みどりごの手にあふるるや西瓜食む

266おくれ毛や浴衣姿の夕涼み

267風起こす浴衣姿の夏の君

268雨降れば甘露の極み花つつじ

269新緑や上ばかり見て歩む辻

270洗濯物にミストはらりと若葉雨

271夏めいてジーパンの裾折り返す

272水浴びの象の砂絵の睦まじき

273葉桜の 枝から落ちる 毛虫かな

274愛犬と 葉桜眺め ひと休み

275母日課 ミルで古茶挽く 父の為

276夫説く 葉桜指して わびとさび

277古茶新茶 違いわかるは 夫のみ

278枝に葉に保護色活かし雨がへる

279雨蛙鳴くまい明日はゴルフゆえ

280黒南風の立ちて烏の騒ぎける

281雲現れて黒南風わたる鳰の湖

282黒南風に高き波立つ浜辺かな

283人影も露店もまばら花は葉に

284葉桜の道を押し行く車椅子

285葉桜の葉のみずみずし朝の道

286香りよりこくある古茶のよかりけし

287古茶淹れて旧知の友と句の談義

288バスを待つ 肩にふわりと 八重の舞

289急行は 駅を飛び飛び 緑濃く

290真鶴や 丘に風吹き 豆の花

291小田原を守る店主に 見送られ

292お土産は バッグの中で 香る草

293朝日浴び反射反転かざぐるま

294かざぐるまおとぎの国へ風と共

295唄ひ舞ふ君に酔い痴れ花疲れ

296庭祠守るがごとく落椿

297風光る校章光り門開く

298きらきらと白無垢を祝ぐ花吹雪

299花びらの肩から落ちる夕まぐれ

300どの駅の桜カバンに忍び込む

301飛花落花散るいずれもの桜色

302鯉のぼり数多色めくアーケード

303小心な男と茶屋に心太

304心太君が蜜なら僕は酢に

305雷鳴へ犬は遠吠え返しけり

306日雷ビルの谷間を斬り裂けり

307雷は神の怒りや臍かくす

308三月を開けてハミングしたくなり

309日出づる国卑弥呼も雛を飾りしか

310日の差すも春まだ浅き余呉の湖

311四人ゐて一人居眠る春炬燵

312春場所や贔屓の力士けふも負け

313あをによし奈良の都の孕鹿

314息子にも合格通知春届く

315きのふ見し山並みけふは花曇

316宇野千代の思ひ宿せし老桜

317春昼や伊根の舟屋は網干せり

318詰襟をスーツに替へて新社員

319義士の日や香煙空へ絶え間なく

320図書館を満席にして受験生

321囀りをお腹に聞かす妊婦かな

322なにもかもセピア色なり昭和の日

323青竹や五月の空をつらぬきて

323幇間の舞ゐては鵜飼開きかな

324寂庵に始むる法話若葉風

325薫風を入れて大の字四畳半

326試着室香水仄と匂ひけり

327あとつぎの無きか空家に草茂る

328母の日や母ありし日の小言なし

329素人に生らぬものかや茄子胡瓜

330あかあかと天守を染めて夏入日

331丁髷が降り立つ駅や夏巡業

332野仏を容赦なく打つ白雨かな

333またしても間違い電話蒸暑し

334燃え盛る火のあかあかと大文字

335三十九度今年も猛暑岐阜多治見

336神木の一樹に群れて蝉しぐれ

337赤子泣き一瞬止みぬ蝉時雨

338靖国へ卒寿の母と終戦日

339法名となりし上司を送る朱夏

340ふるさとや空にまあるく盆の月

341客船のビル動くごと処暑の海

342列島を虎視眈々と大台風

343倒れざるものまで倒し野分過ぐ

344スイッチョと鳴いて気を引くすいとかな

345古希の子が白寿の父と敬老日

346工場の夜業の灯煌々と

347八百万の神は出雲へ時雨月

348願いごとしても叶わぬ神の留守

349霜月や喪中はがきの続けざま

350空港に休める翼冬夕焼

351とりどりの色を変へきて山眠る

352満天に星さんざめく夜半の冬

353山川も草木も里も冬ざるる

354深閑と雪の降りけり無人駅

355終電の娘待つ駅北吹ける

356整列の子の息白し運動場

357魚へんなのに鯨は哺乳類

358良きことも悪しきも去りぬ年忘

359除夜の鐘聞きつ今年の日記果つ

360豪雪に古民家埋もる白川郷

361野ざらしの地蔵に着せたきちやんちやんこ

362チョコレートもてはやさるる二月かな

363宅急便去年の日付の初荷かな

364初夢に見たしフジヤマ鷹なすび

365初暦まづ句会日に丸じるし

366かるた取り猫に上座を乗つ取られ

376旗振りて皇居参賀の人あまた

386電線に揃ひ来てをり初雀

387成人式竹馬の友も集ひたり

388鬼百合のそぼ濡れる香や蕊真っ赤

389梅雨晴れに東の空の明らめり

390雨の園だれもしらない薔薇落ちる

391しとしと雨あじさい浮かべ泉澄む

392物干して白粉の花触れにけり

393枯れ紫陽花慕いし母や傘寿かな

394菜の花を活けし花入れ風宿る

395風鈴の音が誘うや喫茶店

396青楓映す水面や友泉亭

397あきのさとつれづれなるもよいのかぜ

398明の慧徒然なるも宵の風

399鎌倉の咲く紫陽花の切り通し

400お隣の子らに教はる水鉄砲

401二杯目はモカと決めてや男梅雨

402網戸立つ光と闇のあはひにて

403昏るるともいまだ閉ぢざる花木槿

404黄金虫張り付く網戸檻のごと

405風に舞ひ風に踊るや夏帽子

406底紅の地にあるときは左巻き

407人生は 永久(とわ)に続く ジグソーパズル

408出会いとは 奇跡の連続 尊いもの

409減っていく 財布の中身 スッカスカ

410世の中をひよいひよい渡るあめんぼう

411海の日や色とりどりの帆の祝ふ

412打水を次々踏みし神楽坂

413風鈴の祭り辞苑に観光バス

414指入れて引っかかり玉のラムネ飲む

415甲子園めざす球児の汗染まる

416鎮魂の被災地の雨夏の山

417這い出る蝉の姿のいじらしさ

418西瓜買う三度叩いて決めにけり

419夏帽子被りてオペラ観賞す

420田園を1直線へ夏つばめ

421切り分けた?西瓜がみんな?笑ってる

422灼熱の?陽を跳ね返す?球児たち

423炎天下?耐えて対峙し?命尊ぶ

424夏の午後浴衣に映える珠美肌

425西日本受け取るすいかに涙する

426涼を呼ぶアコギの響き風宿し

427ボクは見たキミも見ている夕焼けや

428サブレより 八幡の 風 海 香

429青楓水面に映る池の端

430枯れ紫陽花慕いし母の傘寿かな

431バリに波打つ遠雷と魚の肌

432ところてん海に生まれて山育ち

433手術明けの朝ところてん食み瞑目す

434神鳴に眼光らすハクビシン

435硝煙の匂い混ざれるシカゴの雷

436雷(いかずち)を纏ひて唸る阿吽像

437ところてん今日は甘いか酸っぱいか

438遠雷やショートホープをもう一本

439夫婦喧嘩喰わぬで逃げようところてん

440遠雷が人の気を消し野球場

441女形(おやま)の香させる男や心太

442ドタキャンも仕方がないね日雷

443リビングに母の雷子ら静か

444失恋をするりと抜けて心太

445無慈悲にも日の本駆けるはたた神
446雪浴びて梅一輪空を向く

447碧い海はらはら注ぐ花の雨

448光吸い新緑の樹々匂い立つ

449まどろみの朝に名残りの蝉の聲

450荷の中の桃の香りのほとばしる

451初雪やうろこ模様の屋根瓦

452雨の路 仏世界に オニヤンマ

453煙(けむ)の中秋刀魚焼けたと母の声

454子らの声湧くや名月雲を出づ

455十六夜けふも送れる君を待つ

456風吹けばどんぐりの雨リス出でむ

457橡の実の転がる先を見果てけり

458流れゆく木の葉追うても追ひつかず

459渦巻いて集ひ別るる落葉かな

460手袋をはづして握手せし別れ

461見え隠れ障子の穴に小さき目

462藷を焼く子らとの笑顔にほかほか

463負けるなよ駅まで送る寒稽古

464厨一人ため息一つ晦日蕎麦

465葬列の思ひそれぞれ冬の星

466沖に出でだんだん畑みかんみかん

467雪降るやペンギンのごと列をなし

468栄転や海髪(うご)をつまにし妻と酌む

469強東風が雲海残し去りにけり

470花の兄一番乗りと枝遊ぶ

471土筆摘む爪まつ黒に小さき手

472若草やお國訛りの四姉妹

473庭祠守るがごとし落椿

474忍び音の忍び逢ひかなほととぎす

475尾をふりて学べ遊べと鯉幟

476若竹や手水に垂れてなほ青く

477吾を守りたる家守をる石の燈

478濡るる紫陽花の見送る無人駅

479手も服も染めゆすらうめ食む子

480黒南風や天井の龍睨みをり

481ハンケチのなまえひらがな 色あすり

482五月雨の池に垂るる枝朦朧と

483梅雨の星子らと探してひいふうみ

484洗い髪ほのかに匂ひあねいもと

485籐椅子に本とじたまま夢の中

486花茣蓙や大の字にをり憂さ消ゆる

487入口の暖簾を変えて夏を待つ

488紫陽花をゆっくり避けて車椅子

489静けさに請われ酒つぐ老いの初夏

490石畳敷石沿いに夏の草

491盆踊りかすかに聞こえるお囃子が

492重陽を 重ねてすでに 八十路過ぐ

493紅をさす 老女華やか 手毬ばな

494バナナもぐ人を思ひて夜食摂る

495花火上ぐ遠く居て明日死ぬる人

496墓に花手向ける骨の髄涼し

497毎日の誰か命日墓洗ふ

498赤白黄つぼむ花々夕涼み

499夏木立ふり返りつも陽向へと

500鎌倉の花火大会音で知る

501遠花火音止み闇を取り戻し

502蝉しぐれじっと立ってる赤ポスト

503ぐったりと寝て日を過ごす大暑哉

504バスケットじいと二人の夏休

505夕涼み夫婦ともどもだらしなく

506酷暑なりメール途絶えて二週間

507ペチュニアの七十ポット地区センター

508炎昼や時間が歪む交差点

509雲の峰個人面談可能性

510雲の峰個人面談可能性

511下戸の我にも届くや銘酒夏の月

512父母は生涯正直半夏生

513涼風やハガキ揮毫の無為自然

514晩年は少し真面目に時計草

515寅の名や屋台に掬った金魚愛で

516香り良し長蛇の列の夜店なり

517三月ぶり固まる硯洗いけり

518老鶯や阿夫利の山に雨を呼ぶ

519緑蔭や見知らぬ人と挨拶を

520昼寝覚めいつかの夢がまた夢に

521兼題をはるかに超える暑さかな

522この頃の流行り恐ろし熱中症

523語り継ぐ重い口調や雲の峰

524留守録に恩師の声や蝉時雨

525涼風と揮毫少し隷書風

526麗しく月光浮め田水張る

527蝉生る出ずる姿のいとほき

528凄じき暑さに人は黙となる

529田園を一直線に夏つばめ

530吉野ヶ里古代蓮のきらびやか

531母作る 梅干しの味 世界一

532多摩川の 風に踊るや しゃぼん玉

533夏風を 受けるママチャリ たくましき

534麦わらで 白髪隠して フェスへ行く

535ひとりカフェ これぞ至福の 夏時間

536薔薇咲いて いつか行きたい ニューヨーク

537祖母ひとり 何を思うか 鳳仙花

538貴船にて 川床料理 夏の贅(ぜい)

539友を待つ 駅の向かいに 花水木

540祇園さん 我も人生 辻回し

541お中元だけで繋がる叔父夫婦

542夕焼けは 一期一会の 旅模様

543葉山から トンネル抜けて 夏が来た

544鶴を折る 皺も重なる 広島忌

545玉音や 正座の膝に 落ちる汗

546焼き肉を 取り合う姉妹 夏の陣

547宿題を ツクツクボウシに 急かされる

548棒アイス 当たりが出たと はしゃぐ母

549ネガティブを ポジティブに変え 夏のフェス

550やくそくはひだりのこゆび遠はなび

551かけつこにただかけつこに風光る

552熱中症ビール飲み過ぎ脱水症

553愛犬の散歩に四季をめぐる日々

554待ち遠しい孫に会える夏休み

555歳のせい蝉の声すら愛おしいかな

556芸術にときめく熱さと夏も揺る

557台風が去りては共に新たな風

558夏休みワクワク見つけ学してる

559燃え盛る舞ドリームに命燃ゆる

560風そよぎ雲と一緒にラムネ飲む

561浴衣着て下駄でぶらぶら深大寺

562坂の上ブルーベリーと出会いけり

564すべからく食べて判断熟れトマト

565旱星不可逆的な間柄

566朝顔の鉢抱き歩む一年生

567問題集終わらぬままに法師蝉

568丸文字の短冊ゆれる七夕の駅

569香水や今日からアタシ自由なの

570夏草やB29の音遠し

571ビヤホール出てジャズ口ずさむ夕べ

572千歳飴の袋の長し女(め)の童(わらべ)

573ぼろ市の素通りできぬその風情

574暑中見舞牛乳パックの葉書届く

575露台にてニューヨーク時間を想う

576風光る古希の我立つ空青し

577靑蔦の主旅立ちし三回忌

578つゆ空や団子さげつつ家路ゆく

579麺恋し泰山木の花うつわ

580未央柳のあざやかに勇気生まるる

581野馬追や復興の音高らかに

582隅田川一夜遅れの花開く

583単線駅待ち疲れたる土用凪

584被災地の難を偲ぶや夏台風

585台風の一過ののちの静けさや

586夕涼み博多のまちのそよ風や

587台風のあとの空には雲が湧き

588台風のすぎし夜中に犬散歩

589台風の掃除のあとや空の澄む

590ところてん食物繊維ダイエット

591犬風呂に着るためだけに水着買う

592朝散歩顔をかくして夏帽子

593カサカサ音衣装ケースのカブト虫

594819古箪笥から夏衣

595熱中症予防にグビリグビリ哉

596ひとさらにひと足早くさんま乗せ

597息子から新茶の土産湯を沸かす

598誘われて祇園祭のこんちきちん

599空は青紅葉は緑深大寺

600ゆく夏や素足の下駄も足袋重ね

601寒の雨もぐる布団であと5分

602手水舎(てみずしゃ)に湧水たたえ深大寺

603インスタで夕立ち来ると教えられ

604遊歩道やがて実をつけ花水木

605夏空やチャリ通勤は10年目

606木綿麻ガーゼハンカチ旅鞄

607灼熱の大地夾竹桃の紅

608寺苑いま風鈴吊るし人を呼ぶ

609リュック背に夢いっぱいの夏休み

610甲子園めざす球児の玉の汗

611短夜や息子と話す裏社会

612ガラス戸に守宮の親子張り付いて

613鰻丼を食べた美味しい写メールが

614夏休みあったあの日が懐かしき

615ロンバケは20年前ララララブ

616真っ黒に日焼けし子等の夏休み

617高尾山 裏の地蔵は汗知らず

618五月晴れブルースカイに秀樹逝く

619すれ違う人の笑顔や高尾山

620あと少し頭キンキンかき氷

621自転車に夕陽集めてペダル漕ぐ

622新緑のトンネル抜けて新車来る

623七夕よ遠いきみのもとに文届け

624二日酔い睡魔がおそう冷酒よ

625あの頃もはじける蓮に笑顔かな

626宵山を今年もひとりそぞろ歩き

627夏の夜はいつもの店で暑気払い

628水替へて華やぎ戻る水中花

629水打ちて庭生き返る夕べかな

630雨土のなだれる町や夏薊

631東屋にいつかの遠き砧の音

632幽霊の白々出そう喫茶店

633常夏や50リットル象の尿(しと)

634いつの間に入道雲や刺繍さす

635窓の陽に足をなげうつ裸かな

636蜻蛉の去りてなんでもない小石
637鈴蘭や少女は長い脚を折り